FRAGRANCE

強さと繊細さを併せ持つ香り

　イソップ4作目となるフレグランス『ローズ オードパルファム』は、長年のコラボレーターであるバーナベ・フィリオンとのパートナーシップにより誕生した。今回のフレグランスの着想源となったのは、フランスの著名なモダニストデザイナーであるシャルロット・ペリアンの名を冠した和バラ。強さとしなやかさを感じさせるような、繊細でいて開放的、かつ極めて持続性の高い香りに仕上がっている。

「ローズ オードパルファムは、バラを独自に解釈し表現したフレグランスです。温室の土から豪奢な花を咲かせ、儚く散っていくまでのバラの一生をはっきりと伝えます。バラが咲く場所に思いを馳せるとともに、シャルロット・ペリアンが生涯に渡って手掛けた作品やレガシーをも想起させる香りに仕上げました。例えば、彼女の名を冠した和バラの庭や、彼女が協働した職人の作業場、散策を楽しんだ雄大なアルプスの風景。そんな情景を思い起こす調香です。グリーンシトラス系のフローラルな香りをアーシーでウッディなベチバーが全体的に和らげることで、彼女が好んだとされる伝統的な男性用コロンを想起させる香りになっています。また日本らしい感覚として、お線香を焚いた後のようなかすかな残り香を表現しています」（バーナベ・フィリオン）

20世紀を代表する女性デザイナー シャルロット・ペリアン

　1907年生まれ、1999年没。1927年、ル・コルビュジエとそのいとこであるピエール・ジャンヌレのアトリエに入り、様々な場所への旅、平等主義、大自然への愛、そして何といってもモダニズムに裏打ちされた、輝かしいキャリアを重ねた。
　ペリアンは早くから冒険心を持って素材の追求に邁進するとともに、機械化が主流となる時代の可能性を信じていた。また思いやりに溢れた人物でもあり、合理的かつ機能的なデザインの中に、人々の生活をより良いものにしたいという彼女の熱意を窺うことができる。

ペリアンの熱意としなやかさを投影した香り

　トップノートは芳しいバラの香り。プチグレン、ベルガモット、爽やかな刺激のピンクペッパー、そしてペリアンが生涯に渡って魅了された日本をイメージしたシソの香りを加えた。
　ミドルノートは匂い立つようなフローラル。ドライで刺激のあるイランイランのウッディな香りがする一方、軽やかでスモーキーなグアヤクウッドとともにジャスミンがローズの香りを引き立てる。
　そしてラストノートは、パウダリーなサンダルウッド、アーシーなベチバー、あたたかみのある甘いパチョリとアンバー、そしてバルサムの香りがするミルラを組み合わせた。これらを包み込むようにムスクがほのかに香り、このフレグランスは完成する。

• Aēsop

Edit & Text　TOKO TOGASHI

掲載商品は、本体価格で表示しており、消費税は含まれておりませんのでご注意ください。