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photo by Eriko Kaji

Scandinavia

北欧で触れる、自然と人のぬくもり。

ツンと糸を張るような冷たい空気。北欧は “寒さ”というワードが一人歩きするがゆえに、自然の厳しさを連想する人が多いかもしれない。しかしそこで触れるのは、荘厳な景色だけではない。人々のあたたかさが何よりの魅力だ。家族や友人どうしの絆はさることながら、「お店でもほとんど嫌な思いをしたことがない」とその人柄の良さを加治さんは語る。北欧への旅を思い立ったのも、奥渋谷で食事をしていた際にひょんな流れで仲良くなったノルウェー人夫妻に会うためだった。「徐々に日が延びてきた春の頃。当時2歳の娘と夫とともに、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、リトアニアの4カ国を訪れました。現地で車を調達し、田舎町の海岸線をドライブしたことが思い出です。印象深かったのは、スウェーデンのヨーテボリまでの西海岸沿いを走っている際に見つけたフィエールバッカという海辺の町。日本でもほとんど情報がない小さな街でしたが、北欧らしい三角屋根の家が立ち並び、ちょうどサンセットの時間だったこともあり、静かで風がない海に鏡のように反転した世界が映り込んでいました。あまりの美しさに感動してしばらくカメラを構えていました」。

リトアニアからスウェーデンに帰るフェリーの中より。「フェリーは子供のためのディスコクラブみたいなのもあって、ダンスパーティーをしたり、ゲームをしたりすることができました。フェリー泊で行くのもおすすめです」。

旅をする理由は人それぞれ。「今は人との距離を確保しなければならないときですが、この事態が明けたらまた、“そこに誰かがいるから” そんな理由で旅へ出たいです。また、今回の事で環境問題についても思いを巡らせました。今後も撮影を続け、作品を通して警鐘を鳴らせるような挑戦もしていきたいと思っています」。人と人、人と自然が心地良い距離感で共存する、そんな “いま” 必要とされていることを北欧の地は優しく教えてくれる。

スウェーデン・ストックホルムの人気レストラン『ペリカン』。「2011年に書籍の撮影で滞在していた頃、よく通った思い出の場所です。雰囲気は変わらずとても素敵。伝統的なスウェーデン料理は、何を食べても美味しいです」。

Items to take on my trip

01_藍染めしたお手製の手拭いスカーフ。02_インド・Anoki製のポーチ。03_同じくAnoki製のエコバッグ。04_タッパー。宿でカットした野菜やフルーツを持ち運ぶのに便利。05_35mmカメラ。フィルムでは本当にいいと思う瞬間しか撮らないので、最終的にいい写真が多く残る気がします。06_二眼中判カメラ(ローライフレックス)。いつも作品を撮影するときに使用するもの。07_お絵かきセット。08_マスキングテープ。09_帽子。10_中判用120フィルム。

Eriko Kaji – Photographer
2006年にフランス・パリを拠点に独立。2010年東京に拠点を移し、「TRANSIT」「Coyote」などの雑誌や広告で撮影しながら作品制作も続け、写真展も多く開催する。現在は鎌倉在住。

Edit YUKA ENOMOTO
Text NENE MATSUMOTO

こちらの情報は『CYAN ISSUE 028』に掲載されたものを再編集したものです。

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