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 新感覚のメロディを奏でる日本の4人組バンド“雨のパレード”。一度聴いたら虜になってしまうような曲調の中で、絶妙なリズムとビートを操っているのが大澤実音穂さんだ。
「小学校4年生ぐらいのとき、金管バンドの発表会を母親と観に行ったんです。クラシック声楽をしている両親の影響で小さい頃から音楽が身近にあったのですが、この演奏を見たときに、あっ、私がしたいのはこれかも!と思ったのがドラムを始めたきっかけです」

PROMARKのスティック 「ライブやレコーディング、普段のスタジオ練習でも使っているのがこのスティック。自分の手に合うのでコントロールもしやすいです」

 もともとは鹿児島で活動していた大澤さん。ボーカルの福永浩平さんに誘われて、上京することになったそう。
「地元の鹿児島では別のバンドを組んでいたんですが、継続が難しくなったタイミングがあって。そのときにボーカルから東京で音楽をやりたいから、ついてこないかって誘われたんです。そこでギターの山崎と一緒に上京してきました。ボーカルは昔から割と決断力があってすぐに行動に移せる人なので、私たちもすんなり信用できるんですよね。知り合いの方に紹介していただいたベースの是永を加えて、新しく雨のパレードというバンドで活動することになりました」

 都会的で繊細なメロディー。ファンを魅了させる理由の一つに、セッション形式でその時々に思い浮かぶ、音やリズムを合わせて曲作りをするところにもあるのかもしれない。
「私はドラムセットと電子パッドを使っているんですけれど、それを織り交ぜたビートは雨のパレードっぽいなぁと思いますね。曲も。誰かが作ってくるという感じではなくて、スタジオでセッションして作り上げていくんです。コードの展開やイメージを共有した上で演奏するんですが、その場で音を出してみて、みんなで判断して作曲をしていきます。何回もボイスメモに録音して持ち帰って聴き直して、ここは一拍ブレイク入れたらもっと良くなるんじゃないかな?とか話したり。ボーカルが軸となって引っ張っていってくれるので、曲作りでブレることはほとんどないんです」

きっかけとなった写真集 「友達がプレゼントしてくれたライアン・マッギンレーさんの写真集。表現力がすごくてアーティステックで、芸術にハマるきっかけになったもの」

メンバー同士が信頼しあっているからこそできる作曲方法。それを穏やかに話す大澤さんだが、ドラムを奏でるときに時折見せる力強いスティックさばきも印象に残る。
「私、普段は結構引っ込み思案なんです。でもその分ドラムを叩いているときは自分をさらけ出せるというか、私の内に溜めたものは全てドラム演奏に詰まっていますね。バンドとしての目標は、幕張メッセでワンマンライブをすることです」

 目標に突き進む姿はもちろん、大澤さんのファッションセンスや美貌に憧れる女性ファンも多い。どのようにしてそのビジュアルが作られているのかを伺ってみた。
「普段が古着が多いですね。高円寺とか中目黒、三軒茶屋あたりの古着屋さんにはよく行きます。隅々まで見て、ビビッときたものは必ず試着。最近は黒やモノトーンが好きなんですけれど、自分のサイズにフィットするものを買うようにしています。情報収集はインスタグラムが多いかも。お気に入りのお店や、海外の方のスナップも参考にしますね。美容に関しては、伊勢丹のコスメがある階はしょっちゅう行ってリサーチしています。新作コスメやオーガニック系コスメを見るのが好きなんです。今ハマっているのはTHREEのリキッドアイシャドウ。ヨレにくいし重ねてもキレイなので、パープルとゴールドを2色買いしました」

初めて制作に関わったグッズたち 「普段使って欲しいなぁと思って作ったクリアバッグとTシャツ。女性ファンの方が多いので、いつか香水やコスメなども作ってみたいです」

 さらさらと風になびく黒髪ロングや、ツヤのある肌。取材しながらもその美しさには思わず魅了されてしまう。
「クレンジングは、chant a charmというオーガニック コスメを使用。毎晩これでメイクを落として、朝と夜は必ず保湿パックでケアしています。最近は半身浴にもハマり中。ロングヘアも伸ばしっぱなしにはしないで月に一度くらいのペースで、友達のいる美容室へ行かせてもらっています。モデルさんたちや女優さんも、何か努力をして美を保っていると思うんです。だから、私もできる限り影の努力をしていたいですね」

自分を彩る香りものと赤リップ 「いい匂いが大好き。ウッディ系やユニセックスの香りがお気に入りです。赤リップはドラムを叩くときのトレードマークでもあるので、ライブ用」

“壁にぶち当たっても乗り越えて好きなことを追求してきたことが自分の糧となっている“

 色々な壁にぶち当たっても乗り越えて、好きなことを追求してきたことが、自分の糧となっていると語る大澤さん。そんな彼女がまっすぐ進むために心に留めている言葉は、歌手の松任谷由実さんが40周年のインタビューで用いていた、ニール・ヤングの言葉から影響を受けたものだった。
「学生時代は、“Don't think! Feel.”という、考えるな、感じろ!っていう言葉をずっと言い続けていましたが(笑)、今は”人は変わり続けるからこそ、変わらずにいられる”という言葉がすごい好きなんです。時代や環境が変わると、変化するものはある。でも、そこで柔軟に対応して進化し続けることで、自分の信念は曲がらないってことなんじゃないかなと解釈しています。私たちの場合でいうと、初めてライブハウスで演奏した時は全然お客さんがいなくて。そんな中でも信念を持って、コツコツ活動し続けていたらちょっとずつ好きになってくれる人が増えて。今までもこれからも新しい曲を作るのたびに成長を見せていきたいというのは変わらない。時代によって流行りの音もどんどん変わっていく上で、“自分たちが今、かっこいいと思う音を出す”ということは根本的に変わることはないんです。そういう意味でも、この言葉は私たちにもぴったりだなぁと思って意識し続けていますね」

Photography YUYA SHIMAHARA
Edit & Text NATSUMI TAKAHASHI
Web Edit KIKUNO MINOURA

こちらの情報『CYAN ISSUE 019』に掲載されたものを再編集したものです。

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